GP神戸トライアルIN福岡 カヴァレッジ

エクテンシーズンも中盤を迎え、次週にGP神戸を控えるこのトライアル
その3バイを賭けてのトライアルのレポートをしよう
参加者は20人をわずかに下回る19名、ほとんどがGP本戦への参加予定らしくモチベーションは高い
近年、ベテランのレベルの高いプレイヤーが就職、その他の理由でマジックを離れていき衰退しつつある九州のマジック界
今回の参加者のうち、実力上位のプレイヤーは髙木、石丸、井上、加茂あたり
そのうち加茂はもうすぐ就職のため九州を離れる予定だ、そのほかにも行広など数名のプレイヤーが同様に九州を離れる
発想をかえればこれはいままでベテランに上位進出を阻まれていた若手プレイヤー台頭のチャンスともいえる
しかしながら、かつての井上や行広のように今後の飛躍を期待させるプレイヤーはいまのところ見当たらない
これを期に頭角をあらわすものがあらわれるのか

予選ラウンド5回戦+シングル3回戦
まずは1回戦、キャリア、実力とも九州屈指のプレイヤー髙木と最近トーナメントマジックに熱意を持って取り組んでいる福岡の若手チーム”ネオスカイ”の和田の対戦
私は先日、ネオスカイの週末の練習に参加させてもらったのだが、毎週末の夜に多人数が集まって練習するとのこと
実際、見たことのある若手プレイヤーがたくさんいて活気のある練習風景であった

デッキは髙木(ナヤ)に対して和田(青白)
先攻は髙木、教主スタートから獣相のシャーマンと立ち上がりは良いが残りの手札は1枚以外すべて土地
4ターン目に待望の復讐蔦を引き、これをキャストしようとするもマナリークで阻止される
続くドローも土地の髙木は唯一のクリーチャーをシャーマンで切って血編みをキャスト
連れてきたのは極楽鳥ながら墓地から蔦を引き連れてくる、和田はまずヴェンディリオン三人衆で髙木の土地だらけの手札を確認すると蔦との相打ちを選ぶ
和田はジェイスをキャストするもシャーマンをバウンスせずブレインストームを選ぶ
髙木はこれ幸いとトップから引いたソクターを血編みに変換してキャスト、しかしめくれるのは剣で蔦は戻らず
しかし土地の豊潤な髙木はこの剣を装備出来、ジェイスを潰しつつ剣を和田に突き立てる
続くターンもクリーチャーを血編みに変えて攻撃宣言し、青命令を打たせた後に山峡が攻撃という流れで和田のライフは5
状況の打開策をドローに見出せなかった和田は投了するのだった

二本目、先手の和田はマリガン、後手の髙木はまたも土地が多いハンドを渋々キープ
髙木は教主スタートするものの和田の火歩きをみて手札の火花魔道士をキャストしないでターンを返す
さらにヴェンディリオン三人衆が髙木の火花魔道士をボトムに送る
髙木の手札は代わりのドローも含めて土地祭りが華やかに開催されており、出来るのは蔦をキャストして殴ることだけ
等しく5点のクロックだが髙木には追加戦力がない、一方の和田は石鍛冶をキャスト、剣を持ってきて磐石・・土地が3枚で止まっていること以外は
髙木はようやく引いた援軍の蔦を加え2体で殴るが片方は流刑されてしまう
和田は返しに土地を引き、装備から攻撃そして土地が起きる
さらに高木のライフはわずか
髙木は力なくクアーサルの群れ魔道士を出してなんとか剣への回答を得る
これによって髙木は白緑ミシュランとあわせてようやくクロックをとめる態勢を築く
もちろん薄氷を踏むような状態ではあるが
和田はここで迷いなくヴェンディリオンを攻撃に向かわせる、対抗策の有無にかかわらず髙木はブロックに向かう選択肢しかない
しかし和田のヴェンディリオンは一方的に討ち取られ、ジャッジメントでミシュランこそ巻き込むが有利な盤面が一転平たくなってしまった
しかも髙木の場には赤緑のミシュランもあり高木はそれで殴り始める
和田は火歩きをキャストしてこれを押しとどめるが手札に残る対抗策はなさそうだ
髙木はここが勝負どころと火歩きを流刑して攻撃する
そして和田のライブラリがシャッフルされて和田はドローゴー、再びアクティベートした髙木の山峡は和田がさっき引いたであろう青命令で戻っていく
髙木は土地を再度セットして次ターンにかける、しかし青命令は和田に悪斬をもたらしていた
髙木は最後のドローのエルズペスを見て目の前の土地を数えたが・・足りてなかった


三本目の先攻は髙木、またも土地が過半数
先攻も考慮してキープする髙木、和田は1マリガン
髙木は群れ魔道士、火花魔道士、エルズペスと動く
和田は2ターン目に石鍛冶で剣を持ってきたあと群れ魔道士を流刑して剣を着地させた
髙木は2体目の火花魔道士をキャストにかかるがこれは青命令され、ギデオンに攻撃を強制される
髙木は苦しい、しかしトップからの剣が和田のギデオンに生存を許さなかった
髙木のエルズペスの忠誠度は7に達し追い込まれた和田、ジャッジメントで場を流したがエルズペスの忠誠度は8に達する
ところがここで髙木に残念なお知らせ、悪斬先生来場
華麗に土地をドローする高木に対抗策はない
無駄に上がったエルズペスの忠誠度もパーマネントのない状態ではどうにもならない
髙木はあきらめない、和田の手札は1枚だ、まだチャンスは・・・・・なかった
手札は青命令、そして髙木のドローは最後まで土地だったのだ


髙木はその後も運に恵まれず
先日のPTQに続いてほとんど勝ち星を挙げられずトーナメントを離脱した
最後に髙木からひとこと「私、ノーバイの時のほうがグランプリの成績はいいですから(キリッ)」
そういえばTOP8に入った北九州はノーバイでしたね


二回戦は先日も紹介したリミッツチャンプ井上と熊本の川野の対戦
井上のデッキは先日のPTQと同じく青白、最も得意なデッキをもってグランプリのバイ獲得を狙う
一方の川野は九州出身だが昨年までは長野にいた「出戻り」プレイヤーとでも言おうか
すでに先日のGPTで3バイを獲得しており今日はデッキ調整も含めての参加である
ちなみにそのPTQとGPTは同日同会場で行われており同日の2つのトーナメントの勝者による対決である

先攻は井上、それぞれ定業、教主からスタート
井上の手札はマナリーク、ジャッジメント、青命令と充実しており隙がない
一方の川野は群れ魔道士、石鍛冶とキャストしていくが予定調和でジャッジメント
川野は血編みから火花魔道士をめくるが血編みはマナリークされてクロックを作れない、さらにエンドに本体に1点を打ち忘れてしまう
川野は続いて剣を火花魔道士に持たせて攻撃するが変り谷を討ち取るだけ
井上の青緑剣での攻撃を受けて蔦による逆転を狙うが蔦は1枚しか墓地に落ちず
井上がクリーチャーを並べると速やかに投了するほかなかった

二本目は川野先攻、井上は一本目に近いハンドながら色マナがない手札をマリガン
川野が2ターン目に石鍛冶から青緑剣を引っ張り、さらに2体目で黒緑剣も手札に入れる
一方の井上も石鍛冶から剣を引っ張って場には3体の石鍛冶が並ぶ、今の環境を象徴しているこの状況は決して珍しいものではない
先手の川野が先に剣を用いて攻撃に向かう
これをチャンプしつつ次のターンでジャッジメントする井上、しかし川野の後続はエルズペス
しかも井上の土地は4で止まってしまう
しかたなく十字軍をキャスト、川野は剣を装備したトークンで攻撃しこれはスルーされる
追加のトークンは流刑されて井上が次に土地を引けば剣を装備して攻撃を通せる
そして井上は土地を引く、しかし残念なことにそれはタップインだった
エルズペスの抹殺に失敗し、俄然苦しい井上だが二枚目の青命令を手に入れ
勝利への細い糸が見える、しかし川野がキャストしようとしたバジリスクの首輪が井上の目論見を打ち砕いた
場にいる火花魔道士のためにマストカウンターとなったそれは青命令後に山峡をアクティベート、剣の装備、おまけにエルズペスの起動という3点セットの行動を許して井上のライフを全て奪ってしまった

ここで残り5分ほど、しかしお互いに勝負を引き伸ばしたりはしない、勝っても負けても
先攻の井上がジェイス、悪斬+剣という攻撃で川野を圧倒して決着した
ただ、敗れた川野も敗北濃厚になろうとも時間を稼いで引き分けに持ち込むプレイはなくフェアプレーに徹したあたりは流石と言いたい

ちなみに同日開催されたPTQとGPTだがGPT参加者はPTQを中途ドロップしたプレイヤーばかりの参加であったことをこっそり付け加えておこう


三回戦はここで勝てばほぼ予選抜けが確定する対戦
地元は山口ながら現在は広島在住という古川は諸事情により広島の大会ではなくこちらに来ることになってしまったと予定外の参加
対する阿南は現在宮崎在住だが大分の古参プレイヤーで九州でもなじみが深い

デッキは古川はフェアリー、阿南は青白である
古川先攻ワンマリガンでスタート、初動は3ターン目の阿南の石鍛冶
古川はエンドに見栄え損ないを打つが3枚目の土地がタップインだったため阿南の呪文貫きがささる
3マナストップした古川は剣を出すにとどまる
続いて戦隊の鷹をキャストし、アドバンテージを稼ぐ阿南
土地を引けない古川は苦花をキャスト、阿南はマナをフルに使い攻撃して黒緑剣の効果で土地をアンタップする
もはや勝負の趨勢は決まってしまった
古川渾身の青命令も当然青命令で返されて残された選択肢は
阿南の攻撃で死ぬか苦花で死ぬかだけだった

初顔の古川に少し話を聞いてみるとカードの送り間違いによって実家に帰る必要性が生じたためこちらに参加したとのこと
デッキ名は”クリタ”と書いて欲しいとのことで
どうやら彼の尊敬する知り合いの名プレイヤーということらしい

さておき、二本目先攻の古川はまず思考囲いで阿南の手札確認、定業と十字軍二枚から十字軍を一枚外す
続いて苦花を置く古川は気持ちよさそうに大きなアクションでターンを返す、しかし阿南からのアクションは最初手札になかった戦隊の鷹
だが、続く十字軍をスプライトで打ち消し、ヴェンディリオンで殴りはじめるとやりたい放題
あんまりハッスルしすぎてよくわからないプレイや盤面で詰んでるのを見逃すなど冷静さを欠いていたがそんなことも圧倒的戦力さには関係なく
スタンダードの時から人々を狂わせたフェアリーズ・ハイで古川が二本目を奪取

後手の古川は立ち上がりの思考囲いこそ呪文貫きされるもののヴェンディリオンキャストで覗いた阿南の手札は弱い
阿南の十字軍を誘惑撒きしたあたりで再度フェアリーズ・ハイに突入
二枚目の十字軍をトップから調達して対抗しようとする阿南だが古川の手札は既に聴牌
興奮あまって青緑剣のついた阿南の十字軍を誘惑撒きしようとしてみたり、それでも飛行を全く止められない阿南には十分すぎるクロックの追加でしかなかった


四回戦、予選通過を賭けたプレイヤー同士の対決は先ほど井上に敗れた川野と就職が決まって九州をもうすぐ離れる加茂
加茂は今回行広が原案を作ったというデッキ、ローウィン時代のGAPPOに近いデッキを持ち込んでいる

先攻は川野、土地5枚に十字軍と熟考漂いを加えた7枚をキープした加茂
川野が群れ魔道士からスタートすると加茂は石鍛冶で応じる
川野は攻撃後に十字軍と加茂を攻め立てる、十字軍を出すものの川野は教主と群れ魔道士を追加して石鍛冶を撥ね飛ばす
一方の加茂は熟考漂いをキャストすると石鍛冶で持ってきた剣以外全て手札が土地になってしまった
加茂は最後のドローも土地であることを確認してサイドボードを始めた

二本目は加茂先攻で手札は十分、対する川野はダブルマリガン
川野が教主でスタートし、加茂は石鍛冶をキャスト
獣相のシャーマンを展開した川野に加茂は十字軍を出すより装備を出す方を選んでエンドするが続くターンで川野が群れ魔道士をキャストされて剣は砕かれる
かわりに土地の止まっている川野の教主を火花魔道士で焼き払うと川野は全く動けなくなってしまった
最後まで土地を引けなかった川野は一本目の加茂のように最後のドローが土地でないことを確認して投了

三本目は川野の群れ魔道士スタート、これを稲妻した加茂だが手札はまたも土地祭り、ハンドに残る有効牌は誘惑撒きのみ、場には加茂にバジリスクの首輪、川野は青緑剣
川野は蔦を走らせるがこれが返しに誘惑されて川野が逆に窮地に陥る
小考した川野は火花魔道士が剣をまとって突撃し、加茂のライブラリを削る
しかし加茂の火花魔道士がバジリスクの首輪を装備して川野の火花魔道士を除去すると一気に勝負の天秤は加茂に傾く
川野もサイドインしている電弧の痕跡さえ引けば一気にひっくり返せるため諦めない
川野の希望を込めた血編みがめくったのは石鍛冶
これでは王手のかかった場面の打開は不可能だった

予選ラウンドも最終戦を迎えると上位はIDによるシングル進出者が確定
残るは2席、このラインでいままでフィーチャーしていないプレイヤーの対戦・・・がない
というわけで一度ずつ試合をフィーチャーした阿南と和田の青白ミラーマッチをお送りしよう

ミラーマッチは先攻有利、と俗には言われる
先攻は阿南だが初手をマリガン、和田も迷うがこちらはキープ
共に2ターン石鍛冶、阿南は3ターン目になんとか3枚目の土地を引き入れると石鍛冶の能力メリットを生かすべく流刑を和田の石鍛冶に打ち込む
しかし和田は続いて2枚目の石鍛冶をプレイし、阿南はマナリークを温存しこれを通す
剣を装備して攻撃にいった阿南は飛んでくる流刑をマナリークするが呪文貫きがお出迎え
しかし和田も追加の有効打を持たない、阿南が定業で変り谷、鷹と手に入れて再び攻勢に向かうかと思われたが和田はヴェンディリオンに2本の剣をまとわせる
阿南は呪文貫き、マナリーク、青命令とカウンターだらけの手札でドローゴー
焦った和田がエンドにカードを引きにいった青命令をリークと貫きでカウンターする
まだ十分に戦線を維持できている和田だがここでジャッジメントを打ち、剣をつけて強引に殴りに行く
が、剣をバウンスされた上に返す刀で変り谷の剣撃を受けて手札の剣が落ちてしまう
ここからは阿南のドローが定業、青命令、ヴェンディリオンと和田に抵抗を許さず投了に追い込むのだった


先攻は交代して和田に、しかしマリガン後いまひとつの表情でキープ
阿南の石鍛冶を和田は流刑したあとにヴェンディリオンで手札を覗く
すると剣が2本、青命令、呪文貫き、糾弾、土地が2枚
和田は悩んだ末に黒緑剣を送る、阿南の変り谷と和田のヴェンディリオンが剣をもって殴りあいに入る
阿南の糾弾はカウンターされるが青命令分阿南が有利だ
和田もギデオンで1ターン稼ぐものの鷹をドローした阿南とのアドヴァンテージ差は開くばかり、手札をなくし盤面も詰み
もはや投了の他に選択肢はなかった


シングルエリミに進出したのは井上、加茂、高尾、川野、阿南、上杉、東、古川の8名
筆者の客観的見立てでは井上がやはり大本命、加茂が対抗、高尾、川野、阿南あたりが隙を伺う
上杉は上位陣に比べると少し厳しいが勢いに乗れば
東、古川の両名は正直なところ最後まで勝ち残る可能性を見出せなかった

準々決勝を勝利したのは井上、加茂、高尾、川野
井上が高尾を破り、加茂も川野を破って決勝は井上と加茂
決勝では井上が加茂を破りその強さを見せつけた




残念ながら決勝ラウンドは筆者の都合でカヴァレッジは製作していません
(単に併催のリミッツ予選に出たから)
再来週には2度目のPTQ名古屋を迎える福岡
新たなる若手の台頭はあるのか?
残り少ないチャンスを手にするのは誰か?可能ならばまたカヴァレッジにてお送りしたいと思っています
まかり間違って参加しない限りは




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